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慢性閉塞性肺疾患(COPD)について

COPDとは?

COPD(Chronic Obstructive Pulmonary Disease、慢性閉塞性肺疾患)は、主にタバコの煙などの有害な物質を長期間吸い込むことによって、肺や気道が徐々に破壊され、呼吸がしにくくなる病気です。COPDは「肺気腫」と「慢性気管支炎」の二つの病態が含まれており、これらが重なって呼吸が困難になる状態を指します。進行する病気であるため、早期発見と適切な治療が重要です。

COPDは、特に中高年の喫煙者や元喫煙者に多く見られますが、非喫煙者にも発症することがあります。生活の質を著しく低下させる病気であり、治療を受けずに放置すると、日常生活の活動が制限されるだけでなく、最終的には命に関わることもあります。

 

COPDの原因

COPDの主な原因は、長期間にわたる肺への刺激です。その最も一般的な要因は以下の通りです。

  1. 喫煙:COPDの患者の多くが喫煙者です。長期間にわたりタバコを吸うことで、肺に慢性的なダメージが蓄積されます。喫煙は最も大きなリスク因子であり、COPD患者の約90%が喫煙歴を持っています。
  2. 大気汚染:工業地帯に住んでいる人や、車の排気ガスなどの大気汚染物質に長期間さらされている人もリスクが高くなります。
  3. 職業的な要因:粉塵や化学物質(有害なガスや粉塵など)に長期間さらされる仕事に従事している人は、COPDのリスクが高まります。
  4. 遺伝的要因:まれに、α1アンチトリプシン欠乏症と呼ばれる遺伝的な要因によってもCOPDが引き起こされることがあります。この場合、タバコを吸わなくても発症することがあります。

これらの原因が長期間にわたり肺に影響を及ぼし、気道が狭くなり、空気をうまく出し入れできなくなります。

 

COPDの症状

COPDの初期症状は、ほかの呼吸器疾患とよく似ており、進行するまで気づかれにくいことがあります。代表的な症状は次の通りです。

  1. 息切れ:最初は運動時に感じる軽い息切れですが、進行すると階段の上り下りや日常の軽い動作でも息苦しくなります。
  2. 慢性的な咳:しつこい咳が数ヶ月から数年続くことがあります。これは「慢性気管支炎」の特徴的な症状です。
  3. 痰(たん):毎日のように大量の痰が出ることがあります。特に朝に多く見られます。
  4. 呼吸困難:進行すると、座っている時や安静時でも呼吸がしにくくなり、呼吸をするだけで疲れを感じることがあります。
  5. 胸部の圧迫感:胸が締め付けられるような感覚や、息を吐き出す際に苦しさを感じることがあります。

これらの症状は進行性で、治療をしなければ次第に悪化します。

 

 

COPDの治療

COPDの治療には、症状を緩和し、病気の進行を抑えるためのアプローチが取られます。治療には次の方法があります。

  1. 禁煙
    喫煙がCOPDの最大の原因であるため、治療の最初のステップは禁煙です。タバコをやめることで、肺のダメージをこれ以上進行させないようにします。禁煙が難しい場合は、禁煙外来などを活用して医師のサポートを受けることをお勧めします。

  2. 薬物療法
    COPDの薬物治療は、主に気道を拡げて呼吸を楽にするための薬と、気道の炎症を抑える薬が使われます。

  • 気管支拡張薬:β2刺激薬や抗コリン薬などがあり、吸入することで気道を広げ、呼吸をしやすくします。
  • 吸入ステロイド薬:気道の炎症を抑え、COPDの症状を改善するために使用されます。特に、症状が頻繁に悪化する場合に効果的です。
  • 酸素療法:進行したCOPDでは、酸素の吸入が必要になることがあります。自宅で酸素を吸入することで、日常生活の活動を支援します。
  1. 肺リハビリテーション
    COPD患者のためのリハビリテーションは、呼吸筋を強化し、体力を向上させるためのプログラムです。専門のトレーニングや運動を行うことで、息切れを減らし、活動的な生活を取り戻す手助けをします。

  2. 外科的治療
    重度のCOPD患者に対しては、手術が検討されることがあります。例えば、肺の一部を切除して肺の働きを改善する手術(肺容量減少手術)や、重度の肺気腫患者に対する肺移植などが行われます。

 

COPDの予防と管理

COPDの予防と管理には、日常生活での注意が重要です。

  • 禁煙の継続:タバコはCOPDの主要な原因ですので、喫煙をやめたら、再び吸わないように心がけましょう。受動喫煙も避けるべきです。
  • 大気汚染や化学物質の回避:できるだけ清潔な空気を吸うように心がけ、屋内でも換気を良くするなどの工夫をしましょう。
  • 定期的な運動:無理のない範囲での運動は、呼吸筋の強化と全身の体力向上に役立ちます。専門家の指導のもとで行うことが理想的です。
  • インフルエンザや肺炎の予防接種:COPD患者は呼吸器感染症にかかると症状が悪化しやすいので、定期的な予防接種を受けることが推奨されます。

 

COPDの病状の進行を遅らせるためには、早期の診断と治療が大切です。COPDが疑われる症状がある場合や、喫煙歴があり息切れや咳が続いている場合は、ぜひ一度ご相談ください。

 

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