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高血圧について

高血圧

 血圧の高い状態が続くことです。血圧には上の血圧(収縮期血圧)と下の血圧(拡張期血圧)があり、それぞれの血圧に基準があります。原因が特になく、年齢とともに徐々に血圧が上がって高血圧になる方が多く、これを本態性高血圧といいます。一方、ホルモン異常や腎臓の病気など何らかの原因で血圧が上がっている方もいます。このような特殊な高血圧は2次性高血圧と呼ばれています。

 

血圧の基準値

 血圧は大きく分けて、診察室で測った「診察室血圧」と家で測った「家庭血圧」があります。一般に診察室血圧の方が高めなので、高血圧の基準も高めに設定されています。診察室血圧は人によってかなり高くなってしまう場合もありますので、高血圧はできれば家庭血圧での診断が望ましいです。診察室血圧、家庭血圧それぞれについて、下記の表のように診断基準があります。診察室血圧の場合、収縮期血圧が140以上または拡張期血圧が90以上で高血圧になります。

血圧の目標値

 診察室血圧140/90未満、家庭血圧135/85未満であれば高血圧ではありません。しかしながら血圧の目標値はもう少し低めに設定されており、診察血圧130/80未満、家庭血圧125/75未満となっています(75歳以上の方は診察血圧140/90未満、家庭血圧135/85未満です)。

高血圧にも重症度がある

 高血圧は血圧の高さによって1〜3度に分類されます。1度高血圧の場合は、1〜3ヶ月程度減塩などの生活習慣改善で経過を見ることが多いです。一方、収縮期血圧が180以上もある3度高血圧では脳出血や心筋梗塞のリスクが高く、早々に血圧の薬(降圧薬)を開始する必要があります。

 

高血圧を放っておくと・・

 血圧の高い状態を放置していると血管が破れて出血したり、動脈硬化が進行して血管が詰まったりします。前者の場合は脳出血や大動脈解離、後者の場合は脳梗塞、心筋梗塞などの病気になります。高血圧自体は無症状のことが多いですが、これらの重篤な合併症を発症した時には、頭痛や胸痛、麻痺などの症状が現れます。また後遺症が残ってしまうこともあります。

 

高血圧の検査

 血圧の高い状態が続くと心臓や腎臓、血管などに負担がかかります。その影響を確認するために採血、検尿、心電図、胸部レントゲン検査、動脈硬化検査などを行います。また2次性高血圧をチェックするため採血でホルモン検査を行うこともあります。

 

高血圧の治療

①生活習慣について

 食事で一番重要なのは減塩です。くどいもの、醤油のつけすぎ、漬物、梅干し、味噌汁、ラーメンなど塩分が多く含まれるものに注意しましょう。日本人は1日あたり平均10g前後の塩分を摂取していますが、高血圧患者さんでは6g未満が目標です。その他にも節酒、禁煙、肥満の予防・改善、運動なども大切です。

②降圧薬について

 生活習慣を改善しても血圧が下がらない場合や3度高血圧の場合には降圧薬を使用します。降圧薬にはARB,、ACE阻害薬、カルシウム拮抗薬、利尿薬、β遮断薬などいくつかの種類があります。この中で使用する順番はガイドラインである程度決められています。1つの薬で効果が不受分な場合には、増量したり別の薬を追加したりします。

 

患者さんからよくある質問

家庭血圧はいつ測るのがよいですか?

 家庭血圧は起床後1時間以内(排尿後、朝食前、内服前)と就寝前の2回測定するのが理想的ですが、難しいようなら起床後だけ測りましょう。血圧を測定する時は座ってから1〜2分安静にして2回測定し、その平均値を血圧とします。

 血圧計には上腕で測るものや手首で測るものがありますが、これから購入を予定している方は上腕で測るタイプをお勧めします。手首で測るタイプは若干不正確な場合がありますので注意して使ってください。

 

一度飲み始めた降圧薬を中止することはできますか?

 高血圧に限らず、できるだけ薬を飲みたくない、飲むにしても数を減らしたい方は多いかと思います。高血圧の場合、減塩や運動習慣などによって血圧が改善することがあり、薬が減ったり中止できる可能性はあります。ただし生活習慣の改善だけでは十分に血圧が下がらないこともありますので、降圧薬中止を目標にしてしまうのはやめた方がよいかもしれません。配合剤(2種類の降圧薬が合わさった薬)を利用することで、内服する薬の数を減らせる場合があります。

 2次性高血圧の場合は、その原因に対する治療を行うことで血圧が改善して、降圧薬を中止できることがあります。

 

当院での高血圧診療

 家庭血圧測定などを使って高血圧の診断を行います。生活習慣の改善だけで血圧が下がらない場合には降圧薬を開始します。2次性高血圧が疑われる場合にはホルモン検査や負荷試験なども行います。その結果次第では薬の種類や治療法が変わってくることもあります。また2次性高血圧が疑われる場合には、腹部CT検査などが必要になる場合があります。その場合は他の医療機関にCT検査を依頼することもあります。

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